[マサチューセッツ州ボストン -RED HAT SUMMIT- 2025年5月20日(現地時間)発表] アメリカ報道発表資料抄訳
オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat Inc, (以下、Red Hat)は本日、Red Hat AI推論サーバー、Red Hat AIのサードパーティ検証済みモデル、およびLlama StackとModel Context Protocol(MCP)APIの統合を発表しました。また、Red Hat AIポートフォリオ全体にわたる大幅なアップデートを実施しました。このような取り組みによりRed Hatは、組織がAIの導入を加速するために必要な機能を強化し、ハイブリッドクラウド環境における生成AI(gen AI)の現場導入に関する、お客様の選択肢と信頼性をさらに向上させていきます。
より高速で効率的な推論が、gen AIイノベーションの新たな意思決定ポイントとして浮上しています。
Forresterによると、オープンソースソフトウェアはエンタープライズAIの取り組みを加速するきっかけとなるでしょう。1 AIの landscape がより複雑で流動的になる中、Red Hat AI推論サーバーとサードパーティ検証済みのモデルによって、効率的なモデル推論と、Red Hat AIプラットフォーム上でのパフォーマンスに最適化された、検証済みAIモデルコレクションを提供します。Llama StackやMCPなどの、gen AIエージェント開発用の新たなAPIの統合を組み合わせることで、Red Hatは導入の複雑さを解消し、ITリーダー、データサイエンティスト、開発者がより高い制御性と効率性とともにAIイニシアチブを加速できるよう支援します。
ハイブリッドクラウド全体での効率的な推論を実現するRed Hat AI推論サーバー
Red Hat AIのポートフォリオにRed Hat AI推論サーバーが新たに加わり、ハイブリッドクラウド環境全体において、高速かつ一貫性があり、コスト効率の高い推論を大規模に実現できるようになります。この重要な追加機能は、Red Hat OpenShift AIとRed Hat Enterprise Linux AIの最新リリースに統合されているほか、スタンドアロン製品としても利用可能です。これにより、効率的で柔軟性があり、高性能なインテリジェントアプリケーションを導入できます。
Red Hat AIサードパーティ検証済みモデルでテストかつ最適化されたモデル
現在、Hugging Faceで一般提供されている、Red Hat AIのサードパーティ検証済みモデルによって、企業は特定のニーズに最適なモデルを容易に見つけることができます。Red Hat AIは、検証済みモデルのコレクションに加え、モデル性能と結果の再現性に対するユーザーの信頼を高めるための、導入ガイドラインを提供しています。一部のモデルはRed Hatによって最適化されており、モデル圧縮技術を活用してサイズを縮小し推論速度を向上させることで、リソース消費と運用コストを最小限にできます。さらに、継続的なモデル検証プロセスにより、Red Hat AIのユーザーが最適化されたgen AIイノベーションの最前線に常に立てるよう支援します。
Llama StackとMCPを活用したAIアプリケーションおよびエージェント開発用の標準化API
Red Hat AIは、Metaが開発したLlama StackとAnthropicのMCPを統合し、AIアプリケーションとエージェントの構築および導入のための標準化されたAPIを提供します。現在、Red Hat AIの開発者プレビューで利用できるLlama Stackは、vLLMによる推論、検索拡張生成(RAG)、モデル評価、ガードレール、エージェントなど、あらゆるgen AIモデルにアクセスできる統合APIを提供しています。MCPは、エージェントワークフロー内でAPI、プラグイン、データソースを接続するための標準化されたインターフェースを提供し、モデルと外部ツールの統合を実現します。
Red Hat OpenShift AI (v2.20) の最新リリースでは、gen AI と予測 AI モデルの構築、トレーニング、導入、モニタリングを大規模に実施するための機能が強化されています。主な機能は以下の通りです。
- 最適化されたモデルカタログ(テクノロジープレビュー)によって、検証済みのRed Hatおよびサードパーティのモデルへの容易なアクセス、Webコンソールインターフェースを通じたモデルのRed Hat OpenShift AIクラスターへの導入、Red Hat OpenShift AIの統合レジストリを活用したモデルのライフサイクル管理が実現します。
- KubeFlow Training Operatorによる分散トレーニングによって、InstructLabモデルチューニングや他のPyTorchベースのトレーニングとチューニングワークロードのスケジューリングと実行を可能にし、複数のRed Hat OpenShiftノードとGPUに分散します。また、分散RDMAネットワークの加速と最適化されたGPU利用率によってコストを削減します。
- Feature store (テクノロジープレビュー)は、アップストリームのKubeflow Feastプロジェクトを基盤としており、モデルトレーニングと推論の両方でデータを管理して提供するための中央集約型リポジトリによって、データワークフローを最適化してモデル精度と再利用性を向上させます。
Red Hat Enterprise Linux AI 1.5で、大規模言語モデル(LLM)の開発、検証、実行のためのRed Hatの基盤モデルプラットフォームを新たにアップデートします。バージョン1.5の主な機能は以下の通りです。
- AWSとAzureに加えて、Google Cloud Marketplaceが利用可能となり、パブリッククラウド環境でのRed Hat Enterprise Linux AIの実行に関するユーザーの選択肢が拡大し、Google Cloud上のAIワークロードの導入と管理が簡素化されます。
- 多言語対応の強化(スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語)をInstructLab経由で提供します。ネイティブスクリプトを使用したモデルのカスタマイズが可能になり、多言語AIアプリケーションの新たな可能性を切り開きます。ユーザーは、特定のユースケースや言語に合わせたモデルのカスタマイズと検証のために、独自の教師モデルをインポートすることも可能です。今後、日本語、ヒンディー語、韓国語への対応も予定されています。
Red Hat AI InstructLab on IBM Cloudサービスも一般提供を開始しました。この新しいクラウドサービスによって、モデルのカスタマイズプロセスの効率、スケーラビリティ、そしてユーザーエクスペリエンスが向上するため、企業は独自のデータを容易かつ制御可能な形で活用できるようになります。
Red Hatのビジョン:あらゆるモデル、あらゆるアクセラレーター、あらゆるクラウド
AIの未来は、インフラのサイロ化に制約されることなく、無限の可能性によって定義されるべきです。Red Hatは、企業があらゆるモデルを、あらゆるアクセラレーター上で、あらゆるクラウドに導入し、莫大なコストをかけることなく、卓越した一貫性のあるユーザーエクスペリエンスを提供できる未来を見据えています。gen AI投資の真価を引き出すために、企業にはユニバーサルな推論プラットフォームが必要です。そして、これは、現在および将来にわたって、よりシームレスで高性能なAIイノベーションの基準となるものです。
Red Hat Summit
Red Hat Summit の基調講演に参加して、Red Hat のエグゼクティブ、お客様、パートナーからの最新情報をお聞きください。
- Modernized infrastructure meets enterprise-ready AI(近代化されたインフラストラクチャ―とエンタープライズ対応のAI)— 5月20日(火)、東部夏時間午前8時~10時 (YouTube)
- Hybrid cloud evolves to deliver enterprise innovation (ハイブリッドクラウドの進化が企業のイノベーションを実現)— 5月21日(水)、東部夏時間午前8時~9時30分 (YouTube)
サポートコメント
Red Hat AI事業部バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー Joe Fernandes(ジョー・フェルナンデス)
「より高速で効率的な推論が、gen AIイノベーションの新たな意思決定ポイントとして浮上しています。Red Hat AIは、Red Hat AI推論サーバーによって強化された推論機能と、検証済みのサードパーティモデルの新コレクションを組み合わせることで、組織が必要とする場所に、必要な方法で、独自のニーズに最も適したコンポーネントによってインテリジェントアプリケーションを導入できるよう支援します」
IDC リサーチマネージャー Michele Rosen(ミシェル・ローゼン)氏
「組織はAIに関する初期の検討段階を終え、実践的な導入に取り組んでいます。組織が継続的に成功を収めるには、多様な環境やニーズに合わせてAI戦略を柔軟に適応させる能力が必要です。AIが形作る未来では、強力なモデルだけでなく、能力とコスト効率を兼ね備えたモデルの導入が求められています。AIイニシアチブを拡大し、ビジネス価値の創出を目指す企業にとって、このような柔軟性は極めて重要になるでしょう」
1 出典:Navigate The Open-Source AI Ecosystem In The Cloud(クラウドにおけるオープンソースAIエコシステムのナビゲート)、Forrester Research, Inc.、2025年2月
その他のリソース
- Red Hat AIについて
- Red Hat AI推論サーバーについて
- Red Hat OpenShift AIについて
- Red Hat Enterprise Linux AIについて
- Red Hat AI 検証済みモデルについて
- Red Hat AI推論サーバー についてRed Hatのエグゼクティブから詳しく聞く
- llm-d コミュニティプロジェクトについて
- Red Hat とMetaの取り組みについて
- Red Hat とNVIDIAの取り組みについて
- Red Hat とGoogleの取り組みについて
- Red Hat とAMDの取り組みについて
- Red Hat とHitachi の成功事例について
- Red Hatとカスティーリャ・ラ・マンチャ州政府の成功事例について
- Red HatとDenizBankの成功事例につい
- Llama StackとMCPについて
- モデル検証について
- LLMモデル圧縮について
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