Red Hat In-Vehicle Operating Systemの一般提供により、ソフトウェア・デファインド・ビークルの新しい未来に備える

  • Red Hat In-Vehicle Operating System が、ISO 26262 Edition 2, 2018- Level ASIL-B 規格に対し、Safety Element out-of-Context (SEooC) として機能安全認証を取得
  • オープンソースで継続的に認証されるオペレーティングシステム・プラットフォームの 2025年第3四半期の提供開始が決定、自動車メーカーやサプライヤーに安全認証取得済みLinuxを提供
東京 -

[マサチューセッツ州ボストン -RED HAT SUMMIT- 2025年5月20日(現地時間)発表] アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat Inc, (以下、Red Hat)は本日、Red Hat In-Vehicle Operating System(RHIVOS)が、ISO 26262 Edition 2、2018- Level 自動車安全度水準B (ASIL-B)規格に対するSafety Element out-of-Context (背景によらない安全関連エレメント、SEooC)として機能安全認証を取得したことを発表しました。これは自動車業界にとって、大きな飛躍となります。2025年第3四半期にフルリリースが予定されているRHIVOS は、オペレーターにとって重要な車載コンピュータシステムに関する自動車業界の厳しいリスク管理および安全要件を満たす、認証取得済みのオープンソース・プラットフォームを提供します。

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RHIVOSの市場への投入は、自動車業界のSDVへの移行に向けた転換点となります。

Francis Chow(フランシス・チョウ)

Red Hat In-Vehicle Operating System and Edgeバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー

Red Hatでは、オープンソースは自動車業界に抜本的な変革をもたらし、企業がソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)に関する複雑な要求を対応できるようにしていくものと考えています。こうした変革の一環として、Red Hatは、自動車メーカーがクラウドでソフトウェア開発を開始し仮想シミュレーションへシームレスに移行し、ソフトウェアを書き換えることなく実際のハードウェアにデプロイできるクラウドネイティブかつソフトウェア中心の自動車設計アプローチを提供してきました。

Red Hat は2021年、継続的に認証される初の車載用Linuxプラットフォームを提供するという目標を発表しました。以来、Red Hatは、機能安全およびサイバーセキュリティ認証のグローバルリーダーであるexidaと協力し、ISO 26262を含む多くの機能安全規格のリスク管理要件を満たす新しいアプローチの開発と検証に取り組んできました。そして本日、この目標達成について誇りを持って発表いたします。

世界有数のエンタープライズ向け Linux プラットフォームであるRed Hat Enterprise Linux の堅固で信頼性の高い基盤上に構築されたRHIVOSは、自動車業界の重要なニーズに合わせて綿密に最適化された、安全認証取得済みのLinux ベースのオペレーティングシステムです。これには、優れた起動時間、リアルタイム性能、および堅固なFreedom From Interference(FFI)が含まれます。FFIとは、インフォテインメントやGPSシステムなどの安全上重要でないアプリケーションが、重要な安全機能に干渉できないことを意味します。この強力なプラットフォームは、ADAS(Advanced driver-assistance systems、先進運転システム)、デジタルコクピット、ボディコントロール、テレマティクス、インフォテインメント、さらには車両内での最先端AIモデルの統合など、幅広いアプリケーションに対応するように設計されています。

RHIVOSを補完するものとして、重要な使用前提条件 (AoU) や関連のセーフティアーティファクトなど、包括的な安全ガイダンス文書がお客様に提供されます。また、Red Hatのハイブリッドクラウドおよびアプリケーション開発ソリューションの幅広いポートフォリオを活用した、独自のソフトウェア開発キット(SDK)も提供されます。これにより、お客様はソフトウェア定義車の革命を特徴付ける要素として、クラウドベースのイノベーションを車載体験に容易に変換できるようになります。クラウド、仮想、および物理環境全体に一貫性のある統合された基盤を提供することで、Red Hatは、Red Hatは、自動車メーカーがイノベーションサイクルを劇的に加速させ、全体的なコストを削減しながら次世代車両の厳しい完全性要件を順守することを可能にします。

Red Hatは、Arm、Intel、NXP、Qualcomm、ルネサスなど、自動車用シリコンハードウェア・エコシステムの主要企業と協力し、関連プラットフォームおよびアップストリームの関連ドライバーにおけるオペレーティングシステムを事前認証します。また、機能安全認証の一環としてRed Hatは、ローンチの際にまずはルネサスのデバイス、次いでQualcommのデバイスと、安全認証の範囲内で特定の適格なハードウェアプラットフォームを順次ロールアウトしていく予定です。    

Red Hat Summit

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サポートコメント

Red Hat In-Vehicle Operating System and Edgeバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー Francis Chow(フランシス・チョウ)
「RHIVOSの市場への投入は、自動車業界のSDVへの移行に向けた転換点となります。Red Hat Enterprise Linuxの定評のあるバックボーン上に構築されたこのプラットフォームにより、自動車メーカーは、イノベーションの加速、安全性の向上、システムセキュリティの強化を実現するとともに、オープンソースアプローチを採用して柔軟性とコラボレーションを強化できるようになります。よりスケーラブルで信頼性の高いオープンプラットフォームで自動車のエコシステムを強化することで、運転体験の変革に貢献できることをうれしく思います」

exida アドバンスドシステム部門ディレクター Jonathan Moore(ジョナサン・ムーア)氏
「おめでとうございます。 Red Hat は、 RHIVOSのこの最初のリリースが、ISO 26262 ASIL-B の認証において需要の高いexidaの基準に適合していることを実証しました。exida ANAB認定は、世界でもっとも厳しいものと広く認知されており、どの認証機関よりも質の高い技術的専門知識と包括的な製品審査が要求されます。そのため、製品はより安全でセキュアかつ使いやすく、信頼性の高いものとなります。今回のRHIVOSの認証により、Red Hatは、世界中の専門家とのオープンなコラボレーションにより開発される技術的ソリューションにおける革新的な「アップストリーム・ファースト」重視の姿勢で、ISO 26262プロセスフレームワークの要件を十二分に満たしていることを示しました。また、1月にexidaから最新のコンセプト証明書が発行されて以来、多くのRed Hatカーネルメンテナーや ソフトウェア開発のシニアエキスパートが、安全活動を通じてオープンソースと機能安全の両方にコミットしていることを証明するexidaのFunctional Safety Practitioner(機能安全専門家、FSP)資格の取得に向けて研さんを積み、取得に成功しています。この複雑な試みに携わり、オープンソースコンポーネントをベースとするオペレーティングシステムが、ISO 26262の複雑な完全性要件を十二分に満たすことができることを実証したグローバルチームの方々に、改めてお祝いを申し上げます」

日産自動車株式会社 ソフトウェアデファインドビークル開発本部 ソフトウェア開発部 部長  杉本一馬 氏
「日産はRed Hatと提携し、RHIVOSを革新的に活用することで、次世代のソフトウェア・デファインド・ビークル・プラットフォーム(SDV PF)に向けた、エキサイティングな取り組みを開始します。この取り組みは、日産をSDVの領域へと変革させ、同社を業界の進化の最前線に位置づけ、モビリティの未来を再定義することを目指しています」

ルネサスエレクトロニクス High Performance Computing SoC バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー Aish Dubey (エイシュ・デュベイ)氏
「ルネサスは常にオープンソースソフトウェアを支持し、それに対して積極的に貢献してきました。RoXのSDVプラットフォームで RHIVOSを利用できることが発表されて以来、私たちはこの協力関係に大きな期待を寄せてきました。本日、RHIVOSの最初の認証がルネサスR-Car S4プラットフォームで行われることを発表できることを誇りに思います。この複合ソリューションにより、お客様はADASやIVIからゲートウェイやクロスドメインフュージョンに至るまで、安全性や セキュリティ面で妥協することなく、幅広いスケーラブルな車載コンピュートシステムを柔軟に設計できるようになります」

Qualcomm Technologies, Inc. 製品管理担当バイスプレジデント Laxmi Rayapudi(ラクシュミ・ラヤプディ)氏
「Red HatがRHIVOSの ASIL-B 認証を取得したこと、お祝い申し上げます。このマイルストーンは、自動車業界における安全性とイノベーションに対するRed Hatのコミットメントの証です。Qualcomm Technologiesは、このジャーニーにおける協力者になれたことを誇りに思います。また、自動車技術の未来を牽引する安全認証取得済みのオペレーティングシステムを共通のお客様に提供できることを楽しみにしています」

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  • エンタープライズ向けオープンソースソフトウェア・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hatは、コミュニティとの協業により高い信頼性と性能を備えるLinux、ハイブリッドクラウド、コンテナ、Kubernetesなどのテクノロジーを提供しています。お客様の新規および既存のITアプリケーションの統合、クラウドネイティブ・アプリケーションの開発、業界をリードする当社のオペレーティング・システムによる標準化、および複雑な環境の自動化/セキュリティ確保/管理をお手伝いします。受賞歴を誇るサポート、トレーニング、およびコンサルティング・サービスにより、Red Hatはフォーチュン500企業に対する信頼すべきアドバイザリーとなっています。クラウドプロバイダー、システムインテグレーター、アプリケーションベンダー、お客様、およびオープンソース・コミュニティの戦略的パートナーとして、デジタルの未来に備えるための準備を支援します。



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