本日は、エンタープライズ・オペレーティングシステムの次のメジャーバージョンである Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 10 のベータテストに皆様をご招待いたします。この最新リリースでは、旧来の運用テクノロジーと先進的なワークロードを同じようにサポートできるプラットフォーム上で、先進的な Linux エクスペリエンスを提供します。
このベータ版は、2019 年に Red Hat Enterprise Linux 8 をリリースした際の当社のコミットメント (3 年ごとに新しいメジャーエディションをリリースし、お客様にとってのライフサイクルの予測可能性を高める) を強化するものです。RHEL 10 (2025 年半ばに一般提供を予定) は、その新しいスケジュールにおける 3 つ目のメジャーリリースになります。
OS のベータテスト?
はい、実施します。一見すると、オペレーティングシステム (OS) のメジャーアップデートはベータテストの対象としては珍しいように思えます。OS は、データセンターのサーバーからデバイスエッジで実行されるスマートアプリケーションまで、あらゆるものに触れます。テストのために OS を遮断することはできません。
しかし、ベータテストは皆様 (ユーザー) にとっても、私たち (ベンダー) にとってもメリットがあります。ユーザーは数カ月早い段階で新機能を試し、新しい OS が既存のハードウェア運用環境にもたらす潜在的な変化に備えることができます。ベータテスターによるバグの発見は、一般公開に向けて製品の品質を可能な限り高めていくのに役立ちます。
また Red Hat では、ベータテストはオープンソースの理念を体現する重要な要素であると考えています。初期バージョンを共有することは透明性のある行為であり、オープンソースではとくに強い力となる、ベンダーと顧客の協力関係を実現します。RHEL 10 の進化は Fedora コミュニティから始まり、CentOS Stream を経て進化し、今回皆様の手元に届きました。これはオープンソースでしか実現できないことです。
Linux の最新の成果を提供
2022 年に Red Hat Enterprise Linux 9 をリリースして以来、Linux の世界では多くが変化しました。新機能の多くはこれまでのマイナーリリースで提供されてきましたが、RHEL 10 はさらにその先へと進みます。カーネルバージョンが 6.11.0 となり、OpenSSH、SELinux、Podman などのライブラリが更新されたのに加え、これらのコンポーネントの上に新しい機能が構築されています。
Podman 5.0 へのアップデートは、RHEL 10 における開発者向けの改善点の 1 つにすぎません。さまざまな開発ツールと言語を更新し、より新しいバージョンの GCC、Java、Rust、Go ツールを組み込みました。詳細についてはリリースノートをご確認ください。
多目的プラットフォームの進化
最新バージョンのベースレイヤー・コンポーネントを提供する先進的な Linux ディストリビューションは数多くあります。RHEL はそれだけにとどまらず、お客様の最も野心的なイノベーションの基盤となります。このエディションには、RHEL を他の Linux フレーバーと区別する大きな改良が加えられています。
Red Hat Enterprise Linux Lightspeed の導入
RHEL 10 では、エキスパートから初心者まであらゆる人が RHEL を簡単かつ効率的に構築、デプロイ、管理できるようにすることを目的とした生成 AI (gen AI) ツールである Red Hat Enterprise Linux Lightspeed が新しく追加されています。
RHEL Lightspeed は数十年にわたって蓄積された専門知識の結晶であり、チューニングやトラブルシューティングをより適切に行えるようにするための推奨事項とガイダンスを提供します。また、プロアクティブなライフサイクルと必要に応じて提供されるセキュリティ情報により、IT インフラストラクチャの計画と保護にも役立ちます。また、RHEL Lightspeed はリリースノートを組織のニーズに合わせて提供したり、推奨事項をチームのニーズに合わせて提供したりできるので、RHEL エクスペリエンスに新たなレベルのパーソナライズを取り入れることができます。さらに、RHEL Lightspeed は複雑なコマンドをわかりやすい表現に置き換えるので、経験の浅いユーザーにとっては障壁が低くなります。
Red Hat Insights Image Builder 経由で RHEL 10 ベータ版を試す
ゴールデン OS イメージの作成は複雑な作業です。組織のニーズと、統合されていないハイブリッドクラウド環境の要件を満たすためには、知識、時間、労力が必要です。Insights Image Builder はカスタマイズされた最新のゴールデンイメージを提供する使いやすいサービスであり、RHEL 10 ベータ版は Insights Image Builder 経由で提供される最初のベータ版リリースです。
Insights Image Builder は、外部リポジトリからのパッケージや最初のブートスクリプトなど、パーティショニングを含む多くのカスタマイズを提供します。Insights Image Builder では、これらの機能に加えて、任意のパブリッククラウドで RHEL 10 ベータ版を試用できます。
イメージモードの強化
イメージモードにより、より多くのチームとユーザーが RHEL のパワーを活用できるようになります。イメージモードを使用すれば、DevOps チームはより簡単に RHEL を継続的インテグレーション/継続的デリバリーおよび GitOps ワークフローに組み込むことができます。セキュリティチームは、スキャンや検証から、暗号化や認証に至まで、コンテナ・セキュリティ・ツールをオペレーティングシステムの基本要素により容易に適用することができます。
ベータ版は始まりにすぎない
今から一般提供までの間に、RHEL 10 について Red Hat のエキスパートからお伝えする機会を多数用意する予定です。ここで公開されるブログ記事、Red Hat YouTube チャンネルのビデオシリーズ、redhat.com のインタラクティブラボで続々と新情報をお伝えしていきます。
RHEL 10 ベータ版をすぐに試す準備ができているなら、追加の情報を待たずに開始できます。Insights Image Builder で試すか、今すぐダウンロードしてテストを開始してください。また、リリースノートおよび製品ドキュメントをご覧ください。
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Red Hat 認定システム管理者 (RHCSA)
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